フラップ手術と再療法

最先端の歯周病再生治療エムドゲイン療法の治療内容・費用をまとめました。

代表的な歯周病外科手術・フラップ手術とは

歯周病が悪化すると歯周ポケットの奥深くに入り込んだプラーク(歯垢)や歯石を取り除くための外科手術が必要になる場合があります。外科手術はいくつか種類がありますが、代表的な治療がフラップ手術です。

ポケットの中に入ったプラークや歯石はスケーリングによって除去できますが、歯周病が進行するとポケットがどんどん深くなり、スケーリングではポケットの奥深くまで届かなくなってしまいます。

そして、歯周病ポケットの深さが6mm以上になると重度の歯周病とされ、放置しておくと歯が抜け落ちてしまいます。この歯周ポケットの奥深くに入り込んだプラークや歯石を取り除くのがフラップ手術です。

フラップ手術の治療内容と手術費用

歯肉に局所麻酔をかけ、メスを入れて切開します。そして、炎症性組織を除去し、スケーリングなどの器具を使ってプラークや歯石を取り除きます。必要に応じて歯槽骨を作り、でこぼこした歯の表面を平らな状態に仕上げます。

歯肉を縫い合わせ、1週間後に抜歯を行います。手術を行う歯の本数や症状の進行具合にもよりますが、数本の手術で1時間~2時間くらいを要します。

フラップ手術の費用目安

  • 保険適用の場合:3,000円(1部位)
  • 保険適用外の場合:1~10万円(1部位)

フラップ手術の術後

手術後は歯周ポケットが再発しないよう、歯磨き等で口の中の状態を管理していきます。

ですので、歯磨きなどで管理がしっかりできない人は歯周病の進行がかえって早まる恐れがあるので、フラップ手術の可否については担当医とよく相談して決めましょう。

フラップ手術のメリット・デメリット

メリット

大きなメリットとして挙げられるのが歯石や細菌を徹底的に取り除けるということ。目でしっかり確認しながら丁寧に取り除いていくため、取り残しが発生してしまう心配が少なくて済みます。

また、一度しっかり歯周ポケットをキレイにできるので、その後の口内環境を良好に保ちやすくなるのもメリットです。歯周病が悪化すると口内環境が非常に悪くなっているのですが、歯周病を放置したままで口内環境を改善させるのは難しいことだといえるでしょう。

一度フラップ手術を行い、健康的な口内環境を作れればその後のケアに力を入れることによって健康的な状態を保ちやすくなります。

大掛かりな手術になるため、痛みも強いのでは…と心配する方が多いのですが、フラップ手術中は麻酔をして行うこともあり痛みを感じることはありません。

デメリット

術中は痛みを感じないのですが、麻酔が切れた後から多少痛みを感じることもあります。ただ、痛み止めが処方されるのでそれほど心配はいらないでしょう。

それから、フラップ手術をしたからといってそれまで破壊されていた歯周組織がすべて元通りになるわけではありません。もともと歯周組織が大きく壊されていた場合、手術後に歯肉が下がったために歯が長く見えてしまうこともあるので、このデメリットについては理解しておきましょう。

また、必ずしもすべての人がフラップ手術を受けられるわけではありません。疾患を抱えている方の中には選択できないケースもあるので医師とよく相談しましょう。

 

フラップ手術は保険適用?

フラップ手術を検討したいと思っているものの、あまりにも費用がかかるようだと難しい…と心配している方もいるはず。そこで、保険についてご紹介します。 まず、結論からいうとフラップ手術を保険適用することは可能です。ただ、その際には検査を受けることが最低条件となっているので、検査を受けずにフラップ手術を受けることはできません。

また、保険適用だったとしても具体的にどれくらいの料金がかかってくるかは人によって違います。 保険適用外の場合についてですが、こちらは保険が適用されるフラップ手術に比べるとかなり時間をかけて丁寧な施術を行ってくれる傾向にあります。例えば、特殊な薬剤などを使って施術を行う場合は料金が高くなり、保険適用外になることがあるのです。他にも、再生療法を組み合わせて治療を行う場合など、フラップ手術以外にも特別な治療を行う場合は保険適用外になることがあります。

ただ、保険適用外の場合はインターネット上などで公開されている料金目安と全く違う設定になっているクリニックもあるため、直接問い合わせをした方が安心できるでしょう。 また、保険が適用されると思って治療に行った方の中には、クリニック側から「うちは保険が適用されない」と聞かされ、疑問に思った方もいるようです。先述したように特殊な薬剤などを使っている可能性もありますが、なぜ保険適用にならないのか確認してみましょう。

保険が適用になるかならないかについては治療を受ける前に確認しておくことがおすすめです。途中で治療費を支払うのが難しくなり、治療を受けたクリニックとは別の所に通うことになれば、転院先のクリニックで再度細かい検査を受けなければならず、費用がかかります。

フラップ手術の注意事項とは?

フラップ手術を受ける際にいくつか注意しておきたいポイントがあるのでご紹介しましょう。 まず、フラップ手術では麻酔を行うのですが、麻酔が切れてから2~3日ほどすると徐々に手術した周囲の頬が腫れてきます。これはメスを入れたので仕方がないことだといえるでしょう。痛みを感じる間は処方された痛みどめを飲むのですが、腫れているからといって氷などで冷やさないように注意が必要です。

というのも、肌を冷やすことによって血液循環が悪くなると、なかなか腫れが引かない状態になってしまうからです。気になるかもしれませんが腫れは徐々に治まり、1週間ほどでほとんど気にならなくなるのでマスクをして過ごすなどの対策をとってみてくださいね。 それから、口の中に刺激を与えるようなものは食べたり飲んだりしないことが大切です。熱いものや冷たいもののほか、辛いもの、酸っぱいものなども避けておきましょう。

手術をしてからすぐに硬いものを食べるのもおすすめできません。痛みを感じやすい状態になっているので、あまり噛まなくていいようなおかずや柔らかめに煮たうどんなどを取り入れるのがおすすめです。 普段通りの食事に戻すまで、1週間ほど時間をかけておくとトラブルが少なくて済みます。

最後に、歯磨きに関する注意点です。手術をしたところは傷がついているため、歯磨きをすると状態が悪化するので気をつけてくださいね。だからといって不衛生にはできません。 手術をしていない部位については通常通りの歯磨きを行い、傷口のある部位は処方されるうがい薬でケアをするのが基本です。また、傷口がふさがった後も硬い歯ブラシを使うと傷口が悪化する可能性があるため、柔らかい歯ブラシを購入してそれを使いましょう。一般的に傷がふさがるまで3~4週間程度かかります。普段は硬い歯ブラシを使っている方も医師から許可が出てから使った方が安全です。

最先端の再生医療エムドゲイン療法とは

エムドゲイン療法は1997年に予防歯科先進国のスウェーデンで生まれた歯周組織再生治療です。

安全性が高く、歯周病によって失われた歯周組織(骨や歯根膜など)を再生できるため、2016年現在では、世界40か国以上で採用されていますが、日本では健康保険が適用されないため、自費治療になります。

エムドゲイン療法の治療内容と手術費用

歯の表面の汚れを取り、失われた歯周組織にエムドゲイン(エナメルマトリックスタンパク)を入れることで溶けた歯周組織を再生させます。

歯肉に麻酔をかけ歯肉を切開し部分的に剥離します。歯根表面にエムドゲインゲルを塗布した後、剥離した歯肉を元に戻し、切開した歯肉を縫い合わせます。術後、1週間後くらいで抜糸します。

エムドゲイン療法の費用

  • 保険適用外:5~10万円

エムドゲイン療法の術後

術後1ヶ月くらいは歯間ブラシやデンタルフロスの使用を控えます。半年くらいたつと骨が少しずつ形成されていきますが、骨を再生させても歯周病になると再び骨は溶けてしまうため歯周ポケットのクリーニングは必須です。

また、喫煙者の場合はニコチンによって歯肉の毛細血管が収縮し、歯周組織の再生能力がなくなってしまうためエムドゲインをしても効果はほとんど期待できません。すべての人に有効な治療であるとは限らないということをよく理解しておきましょう。

エムドゲイン療法のメリット・デメリット

メリット

歯周組織の再生をする治療法ということもあり、歯周病が原因で失ってしまった歯槽骨や歯根膜といった組織状態が改善します。これにより、ブラッシングしやすくなるのが大きなメリットです。

口内環境が整っていない状態では十分にブラッシングをすることができず、磨き残しも発生しやすくなりますよね。このような状態ではいくら丁寧にブラッシングすることを心がけたとしても歯周病が悪化してしまいます。

エムドゲイン療法を行い、口内環境を改善させましょう。

また、それほど難しい術式を必要としないことに加え、合併症のリスクが少ないのはメリットになります。手術にかかる時間は約1時間ほどと短く、手術後はしばらく休みさえすればそのまま帰宅もできるので、入院の必要性がない治療法です。

デメリット

保険外診療となるため、費用がかかるのがデメリットです。

また、エムドゲイン療法では歯周病によって失われてしまった骨などを再生できるのですが、100%再生ができるわけではありません。どれくらい再生できるかは個人差が大きく、50%ほどしか再生できない場合もあれば、90%ほど再生できる場合もあります。

また、歯茎が下がってしまうことがあるため、そのような状態になると歯が長く見えることもあるのですが、これは歯周ポケットが浅くなることを意味しているのでメリットもあるといえるでしょう。

治療を行ったからといってすぐに歯周組織が再生するわけではありません。だいたい数ヶ月~1年程度かけて元通りになっていくため、長い治療期間が必要となる手術法だといえるでしょう。そう考えると通いやすい歯科医院を選ぶ必要性も出てきます。治療途中に歯周病が再発するとせっかくの治療効果が十分に発揮されなくなるため、いつも以上に歯を衛生的に保てるように努力しましょう。

定期的にクリーニングを行う必要性もあるので、この点もチェックしておいてくださいね。

それから、すべての方がこの手法を選択できるわけではありません。骨粗しょう症や糖尿病を患っている場合は選択できない場合もあるので、医師に相談してみてくださいね。